まるまるの毬(いが)*西條奈加

  • 2014/09/07(日) 21:09:13

まるまるの毬まるまるの毬
(2014/06/25)
西條 奈加

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武士から転身した変わり種、諸国の菓子に通ずる店の主・治兵衛。菓子のことなら何でもござれ、驚異の記憶力を持つ出戻り娘・お永。ただいま花嫁修業中!ご存じ、南星屋の“看板娘”・お君。親子三代で営む菓子舗「南星屋」。繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、銘菓の数々。でもこの一家、実はある秘密を抱えていて…。思わず頬がおちる、読み味絶品の時代小説!


表題作のほか、「カスドース」 「若みどり」 「大鶉」 「梅枝」 「松の風」 「南天月」

公方様のご落胤という出自を持つ主・治兵衛が、出戻り娘・お永と孫娘のお君と三人で営む和菓子屋「南星(なんぼし)屋」が舞台の物語である。治兵衛が諸国を旅して見覚えたご当地の菓子を真似て作り、しかも安く売り出すので、南星屋には毎日行列ができる。各章のタイトルは、すべてそれらの菓子の名であり、菓子にまつわる出来事が描かれている。おいしそうな菓子の魅力に思わず惹き込まれるが、それだけではない。主の出自ゆえの屈託や、登場人物たちの情の通い合い、家族のあたたかさにも胸を打たれる。お君の縁談は残念だったが、きっとこの先いいご縁があるに違いない。「南天月」だけではなく、新しいオリジナルの菓子ももっともっと見たいと思わされる一冊である。

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