壁と孔雀*小路幸也

  • 2014/09/21(日) 14:17:12

壁と孔雀 (ハヤカワ・ミステリワールド)壁と孔雀 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2014/08/22)
小路 幸也

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警視庁SPの土壁英朗は仕事の負傷で休暇を取り、幼い頃両親の離婚で別れたまま2年前に事故死した母の墓参りに赴く。北海道にある母の実家は町を支配する名家で、今は祖父母と小5の異父弟・未来が住んでいた。しかし初めて会う未来は自分が母を殺したと告げ、自ら座敷牢に篭もっていた。その真意とは?さらに町では謎の事故が相次ぐ。信じるべきものがわからぬまま、英朗は家族を護るため立ち上がる。


タイトルからはどんな物語が始まるのか全く見当がつかなかったが、過酷にもやさしくあたたかい物語が待っていた。警視庁SPの土壁英朗の幼いころ別れた母の実家である北海道の来津平町の篠太家は、その昔の篠太藩から続く家計で、町の有力者であった。警護している政治家の身代わりとなって撃たれ、休暇を取って母の墓参りに来津平にやってきた土壁である。思いのほか歓迎され、異父弟までいたと知って喜ぶのだが、次々と事故が起き、母の死にも何か事情がありそうなので、個人的に調べ始める。同僚や友人たちの協力によって少しずつ見えてくる真相は、思いもかけないものであり、一応の事件解決後の土壁の推理に、さらに驚かされる。ずいぶん大がかりで周到な作戦だ。弟・未来と祖母・桂子とのこれからがあたたかく光あふれるものになるよう祈らずにはいられない一冊である。

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