消防女子!!--女性消防士・高柳蘭の誕生*佐藤青南

  • 2014/10/13(月) 16:52:38

消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (宝島社文庫)消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (宝島社文庫)
(2013/06/06)
佐藤 青南

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横浜市消防局湊消防署で唯一の女性消防士、高柳蘭。新米の蘭は食事作りや洗濯などの雑務に訓練、消火活動と多忙な日々を過ごす。ある日、毎日確認しているにもかかわらず、蘭の使用している空気呼吸器の空気残量が不足していることに気づく。やがて辞職を迫る脅迫状まで届き、蘭は同僚の犯行を訝り疑心暗鬼に陥る。ちょうどその頃、世界一周中の豪華客船が横浜に寄港することになり…。


火災現場で父を亡くした女の子・高柳蘭は、父の後を継いで消防士になった。横浜市消防局湊消防署でただ一人の女性だが、もちろん男性消防士と一緒に厳しい訓練もこなさなくてはならない。体力的にもきついし、先輩の叱咤も厳しく、しかも新人の役目として雑用もこなさなくてはならないというぎりぎりの毎日である。そんなとき、空気呼吸器のエアが抜かれるというトラブルに見舞われ、疑心暗鬼に陥る。訓練や現場の様子など、ちょうど始まったドラマ「ボーダーライン」とついダブらせて読んでしまうので、消防とい未知の現場ながら容易に映像が浮かぶ。蘭の成長と、湊消防署のメンバーとの絆が深められていく様子が描かれた物語であり、家族愛の物語でもあるかもしれない。蘭の命名は父であり、山火事の焼野原に真っ先に咲く花・ファイヤーウィード(ヤナギラン)からであり、焼け野原を薄桃色に染めて、火災で大切なものを奪われた人たちに安らぎを与え、被災者を癒す復興の象徴なのである。夫を失い、娘をまた消防士として送り出した母の想いも胸に熱い一冊である。

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