警察(サツ)回りの夏*堂城瞬一

  • 2014/11/09(日) 18:42:27

警察回りの夏警察回りの夏
(2014/09/26)
堂場 瞬一

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甲府市内で幼い姉妹二人の殺害事件が発生。盗みの形跡はなく、母親は消息不明。
マスコミは「虐待の末の殺人では」と報道を過熱させていく。日本新報甲府支局のサツ回り担当の南は、
この事件を本社栄転のチャンスにしようと取材を続けていた。
だが、殺害された姉妹の祖父が度重なるマスコミの取材攻勢によって追いつめられていく。
世間のムードは母親叩きからマスコミ叩きへと一変。粘り強く取材を続けていた南は、警察内部からの
リークで犯人につながる重要な情報を掴む。だがそこには、大きな罠が待ち受けていた――。
やがて日本新報本社では、甲府2女児殺害事件の報道に関する調査委員会が立ち上げられる。
元新聞記者でメディア論研究者の高石が調査委員会委員長に抜擢。事件報道の背景を徹底調査しはじめるが……。
果たして真相はどこにあるのか? 報道の使命とは何か? 現代社会に大きな問いを投げかける、渾身の書き下ろし事件小説。


世間の興味を煽る要素のある殺人事件を、警察ではなく新聞社にスポットを当てて描かれた物語である。読み進むと、事件そのものが本筋ではなく、とんでもないはかりごとが背後に隠れているのが見えてくる。読めば読むほど新たな興味が掻き立てられ、真相を知りたい欲求がいやでも高まる。それを高石をはじめとする調査委員会の面々が代わりにやってくれるという感じである。事件の真犯人が判っても、裏で進んでいたはかりごとがすっきりしたわけではないが、一応カタルシスは得られる。警察と報道の関係、ネットの風評など、いろいろ考えさせられる一冊でもある。

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