ミチルさん、今日も上機嫌*原田ひ香

  • 2014/11/13(木) 07:13:09

ミチルさん、今日も上機嫌ミチルさん、今日も上機嫌
(2014/05/26)
原田 ひ香

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恋を謳歌し、気ままなシングルライフを満喫する山崎ミチル・45歳。ところが生まれて初めて男に裏切られ、おまけに仕事まで失った。残されたものは元夫が譲ってくれたマンションと僅かな貯金だけ。やむなく始めた地味なアルバイト。そこで出会ったのは、個性豊かな愛すべき老若男女たち。彼らとの交流で、どん底バブリー女が手に入れた希望の切符とは―。


「上機嫌」という割には、主人公のミチルさんは鬱屈を抱えているように見える。バブル期に青春を謳歌し、その後さまざまなものを失ってまだ、もっと満たされるという思いがどこかにあり、地に足をつけた生き方ができずにいるのである。ある意味バブルの被害者とも言えるのかもしれない。スーパーの面接に落とされ、チラシ配りを始めることになった彼女は、いままで知合わなかった人たちと知り合い、ある意味未知の世界を知る。抱えていた鬱屈がいつの間にかひとつふたつと減っていき、次第にいまを生きられるようになっていく彼女を見守るように読み進んだ。バブルもあってその後もあって、そして現在がある。そのときどきをその人らしさで生き抜いてこその幸福であると思わせてくれる一冊である。

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