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地図とスイッチ*朝倉かすみ

  • 2014/11/23(日) 18:14:36

地図とスイッチ地図とスイッチ
(2014/11/07)
朝倉 かすみ

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昭和47年9月8日。同じ日、札幌の同じ病院で生まれたふたりの赤ちゃん――
「ぼく」蒲生栄人と「おれ」仁村拓郎。進学、就職、結婚、離婚etc.……
毎日毎日、無数にあるスイッチの中からひとつを選んで押して、
選択を繰り返したふたりの男は、どんな道筋でそれぞれの人生の「地図」を描いてきたのか――。
感動作『田村はまだか』の名手・朝倉かすみが紡ぐ、40歳の「ぼく」と「おれ」の物語。

「スイッチは無数にあるんだよ。問題はどれを押すかってこと、ちがう?」


同じ病院で生まれた二人の男の子、という時点で、赤ちゃん取り違え事件?と思ったが、そんな劇的なこともなく、二人はそれぞれの人生をそれぞれに歩んでいく。ときどきに選んだスイッチが正解だったのか間違いだったのか、別のスイッチを押していたら今より素晴らしい人生があったのか、そんなことを突き詰めるわけでもなく、二人はそれぞれにスイッチを押し続ける。この先の地図がどうなっていくのか、どこへたどり着くのか。誰しも生まれてきたからにはスイッチを押さずにはいられないのだ。そう思うと、いままで以上に真剣に人生の地図のことを考えるようになる。英人と拓郎がこの先どんなスイッチを押していくのか、どんな地図を描いていくのか、興味が湧いてくる一冊である。

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