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ブルータワー*石田衣良
- 2004/11/19(金) 22:22:09
☆☆☆☆・
この塔は倒させない!
3年ぶり待望の長篇!
世界を救うのは、夢みる力!魂の冒険と愛の発見の物語。
石田衣良の新たな挑戦――
心ゆすぶられるヒューマン・ファンタジー!
●今、SFやファンタジーなど想像力に傾斜した小説は
商売にならないといわれている。天邪鬼なぼくは、
今こそファンタジーを始める時期だと思う。
小説は無責任だから自由だ。
ただの空想だから世界を揺り動かすことがある。
この物語は平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。
高さ2キロメートルの塔が幾多の危機を越え、
雲を分け聳え続けるのだ。
『ブルータワー』へようこそ!
夢みる力が決して失われることのない世界へ。(著者のことば)
(帯より)
あの9・11を目の当たりにして 書かずにいられなかった、とあとがきに書かれているとおり、天に聳える塔の存亡に関わる物語である。
しかしここで言う<塔>とは 単なる高い建物としての<塔>とは 大分様子が違う。
現代と200年後を結ぶ救世主とも言うべき主人公・瀬野周司の魂と一緒に想像力を200年後に飛ばしながら読者は読み進むことになる。
だが、想像力はあっという間に壁に突き当たる。そこでは、想像を絶することが起こっているのだ。
人の価値を決めるのは、生まれた標高でも
居住空間の広さでもない。
結局はすべてを奪われ裸にされたとき、
自分からすすんでなにをするかなのだ。
全力で誰かのために働くことが、実は自分自身を救うことなんだ
という瀬野の想いが胸にせまる。
己の利益のために戦争を続ける人々、立場を利用し 自己の利権ばかりを追い求める人々にぜひ読んでいただきたい一冊である。
だが、そんな人々――夢みる力や想像力を持っているとは思えない――はこれを読んでも ただの脳腫瘍患者の妄想だと 笑い飛ばすのかもしれないが。
ひとつ気になったのは、瀬野のかつての部下であり現上司で妻の美紀の不倫相手・萩原に<オギワラ>とルビが振られていること。
単なるプリントミスかと思い読み進めると、200年後のセノ・シューの幼なじみとして オギワラ・トウイチという人物が出てきて、はて?と戸惑う。単純なミス?
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ブルータワー 石田衣良
ISBN:4198619182:detail ★★★☆☆ 気をつけたけど・・・多少のネタバレあり。 ものすごく面白かった。ひさびさに、入り込んじゃいましたねー。「自分、ちょっと落ち着けよ」と思って、ちょっと休憩入れたくらい・・・。感想書くの、むずかしいなあ。 帯には、何に遠慮
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「ブルータワー」石田衣良
「ブルータワー」石田衣良(2004)☆☆★★★ ※[913]、国内、近未来(?)、200年後、SF、生物兵器 、インフルエンザウィルス 好きな作家の一人、石田衣良の長編。出遅れたため、発刊後1年を経て読了。なんか、手が出なかったのというのが正直なところで、それは正解だったか
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この記事に対するコメント
トラバありがとうございました!今朝からためしてるんですけど、またこっちからトラバできないんですよ~。「失敗しました」になっちゃうんです。何故できたりできなかったりするのか…(涙)。
ちなみにいつも私は「ハギワラ」と「オギワラ」はフィーリングで読んでるので、まったく気づきませんでした(笑)。
お手数おかけして
申し訳ないです。
ぅぅぅ~ん、どうしてかしらん???
またいつか気が向いたら試してみたください。
m(_ _)m
好きな作家なのですが
またもや、好きな作家なのに評価できない作品に出会ってしまった。という感じでした。
ふらっとさんの云う、作家の言わんとすることは理解できるのですが、それが作品として生かされていたかどうjかが、ギモンなのです。
9・11を追悼する、という想いで書かれたとしたら、その意図が果たされているかは疑問ですけれど、そういう意図で書かれたのではないと わたしには思えたのでした。
≪夢みる力≫を大切に思える世界だったら そもそも9・11など起こることはなかったのに...、という想いで書かれたものだとしたら、決して失敗ではなかったと思うのです。
この作品、わたしは結構好きでした。