エヴリシング・フロウズ*津村記久子

  • 2014/11/30(日) 18:38:11

エヴリシング・フロウズエヴリシング・フロウズ
(2014/08/27)
津村 記久子

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クラス替えは、新しい人間関係の始まり。絵の好きな中学3年生のヒロシは、背が高くいつも一人でいる矢澤、ソフトボール部の野末と大土居の女子2人組、決して顔を上げないが抜群に絵のうまい増田らと、少しずつ仲良くなっていく。母親に反発し、学校と塾を往復する毎日にうんざりしながら、将来の夢もおぼろげなままに迫りくる受験。そして、ある時ついに事件が…。
大阪を舞台に、人生の入り口に立った少年少女のたゆたい、揺れる心を、繊細な筆致で描いた青春群像小説。


中学生の物語である。大人から見れば狭い世界でうろうろしているように見える彼らにも、日々さまざまな出会いがあり、感情の揺れがあり、駆け引きがあり、心の通い合いがあるのだと、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれる。しかも、それぞれに学校生活以外にも抱えているものがあり、ときには一人で抱えきれないこともある。新学期の出会いがあって現在がある。遠いようで近く、浅過ぎず深すぎない関わり方が、彼らなりの絶妙さでそれぞれの関係を成り立たせているのが素晴らしい。みんなに明るい未来があることを信じたくなる一冊である。

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