ふたつのしるし*宮下奈都

  • 2014/12/11(木) 18:35:15

ふたつのしるしふたつのしるし
(2014/09/19)
宮下 奈都

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この人は何も知らない。遥名も何も知らない。それが決めてだった。
傷んだ心にやさしい雨のように降り注ぐ、傑作恋愛小説。
欠けていたものが、ぴたりとはまる。そんな風にしてふたりは出会った。
勉強のことを一秒も考えない小一のハルと、生きるための型がほしいと考える中一の遥名。
別々の場所で生まれ、まったく違う人生を歩んできたふたりの成長と出会いを描く、生きることが愛おしくなる傑作恋愛小説。


ハルと遥名、二人の「ハル」の人生は初めは別々に進んでいく。だがどちらもがいまいる場所にしっくり納まらない居心地の悪さを感じ、ほかの同級生たちのようにすんなりと事を運べずに成長していく。大人になり、それなりに必要とされる場所を見つけ、自分なりに充実して暮らしていた。そんなときに運命は二人を引き合わせたのである。そして震災。ハルは遥名を自転車で職場から自宅まで送るのである。二人にとっては、極端に言えば言葉さえ要らないくらいの必然的な出会いだったのだ。1991年、1997年、2003年、2009年、2011年と二人の人生を追いかけてきて、最後の章までたどり着いたとき、そこにはほんもののしあわせのしるしがあったのだった。愛おしいという言葉はこのためにあるのだと思える一冊である。

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