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血の味*沢木耕太郎

  • 2004/11/20(土) 22:24:55

☆☆☆・・


中学三年生の時に人を殺した少年が主人公。
優等生として過ごした少年院を出てから勉強を重ね、現在は 公認会計士として働いている。
妻と娘は彼のもとを出て都心にある実家に帰ったばかりだ。
家庭裁判所から帰る電車の中、地下から地上へと出ると目も眩むほどのまぶしい夕日が窓から差し込んでくる。そして それが 彼が長い間押し込めてきた記憶の蓋が開けられる鍵になったのだった。

あとがきの著者のことばによると、9割は15年前から10年前に書き上げ、残りは書けずに放ってあったと言う。それが 他の作品を書いている時に 今までに書かれていた9割に本当に書かれていたことが何か、残りの1割で何を書くべきかを悟り、1ヶ月ほどで書き上げたのだという。
物語の中でも 謎は謎として解き明かされない部分も多く、どうしてももどかしい感じが残るのだが、これを書き上げたことで軽くなったという著者の心のありようもまた 私にはよく読み解けなくて 高まった感情をどこに着地させればいいのかいささか迷うのである。

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