何が困るかって*坂木司

  • 2015/01/13(火) 07:20:13

何が困るかって何が困るかって
(2014/12/12)
坂木 司

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子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方。夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末。バスの車内で、静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」。あなたの日常を見守る、けなげな「洗面台」の独白。「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語―などなど。日常/非日常の情景を鮮やかに切り取る18篇を収録。


著者の作品としては珍しいテイストである。読み始めて、「え?ほんとうに坂木さん?」と表紙を見直してしまう感じ。ひとつひとつの物語はとても短く、あっという間に読めてしまいはするのだが、喉越しはまったく滑らかではなく、どこかにちいさな何かが引っかかっているような居心地の悪さが残りもするのである。かと言って腑に落ちないわけではなく、「あるある」的な納得感も満載なのだから不思議である。強いて言えば、日常に潜むホラーのような怖さだろうか。気づかずに通り過ぎてしまえばどうということもないのに、一旦気づいてしまったら最後、足が竦んでしまうような。そんな中に、じんわりあたたかい気分になる物語が紛れ込んでいたりもして、絶妙な一冊である。

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