テミスの剣*中山七里

  • 2015/01/17(土) 07:24:56

テミスの剣テミスの剣
(2014/10/24)
中山 七里

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昭和五十九年、台風の夜。埼玉県浦和市で不動産会社経営の夫婦が殺された。浦和署の若手刑事・渡瀬は、ベテラン刑事の鳴海とコンビを組み、楠木青年への苛烈な聴取の結果、犯行の自白を得るが、楠木は、裁判で供述を一転。しかし、死刑が確定し、楠木は獄中で自殺してしまう。事件から五年後の平成元年の冬。管内で発生した窃盗事件をきっかけに、渡瀬は、昭和五十九年の強盗殺人の真犯人が他にいる可能性に気づく。渡瀬は、警察内部の激しい妨害と戦いながら、過去の事件を洗い直していくが…。中山ファンにはおなじみの渡瀬警部が「刑事の鬼」になるまでの前日譚。『どんでん返しの帝王』の異名をとる中山七里が、満を持して「司法制度」と「冤罪」という、大きなテーマに挑む。


渡瀬刑事シリーズの一環ということになるのだろうか。といっても、渡瀬刑事が登場する作品を読んでいないので、あまりピンとは来ないのだが、それでも惹きこまれる内容である。そして、高遠寺静が現役裁判官時代に唯一心を残した案件が主題でもあり、興味深く読んだ。さらには、途中で真犯人がつぶやいたひと言がなかなか回収されないなと思っていたら、それこそが最後の最後にとんでもない隠し玉となって、一連の状況に新たな驚愕をもたらすことになるのである。初めから終わりまで興味が持続し、ページを繰る手が止まらない一冊だった。

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