身代わり島*石持浅海

  • 2015/01/23(金) 18:47:45

身代わり島 (朝日文庫)身代わり島 (朝日文庫)
(2014/12/05)
石持 浅海

商品詳細を見る

景観豊かな鳥羽湾に浮かぶ本郷島が舞台となった大ヒットアニメーション映画『鹿子の夏』のイベント開催を実現させるため、木内圭子ら発起人5名は島を訪れる。しかし打ち合わせをはじめた矢先、メンバーの辺見鈴香が変わり果てた姿で発見される…。


アニメ映画のイベント開催に絡む敵対関係、映画監督と何か曰くがありそうな語り手・圭子の心の裡、映画の主人公が生きて現れたような民宿の娘・彩音、コアな鹿子オタク、などなど、意味ありげな要素があちこちに散らばっている中で起こる殺人事件である。密室でもなく特殊な状況でもない、普通の人々が登場する珍しい石持作品である。そのなかにあって、映画に興味もなく、ただ魚釣りを愉しみに来ている鳴川が、ひとり異質と言えば言えるかもしれない。そしてその鳴川が探偵役として、事件の謎を解き明かすのである。限られた状況から繰り出される推理は素晴らしいのだが、彼の素性がいまひとつよく判らず、圭子との関係も、どうなることやら、な印象なのが、いささか物足りない気もしなくはない。鳴川シリーズにして、鳴川のことをもっと知ることができたら、きっともっと入り込めるのではないかと思う。鳴川シリーズ、ぜひ読みたいと思わされる一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する