物語のおわり*湊かなえ

  • 2015/01/25(日) 17:06:11

物語のおわり物語のおわり
(2014/10/07)
湊 かなえ

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妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、
父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……
様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで受けとるのはひとつの紙の束。
それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。
山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。
ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。
婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか……
ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。
湊かなえが描く、人生の救い。


「空の彼方」 「過去へ未来へ」 「花咲く丘」 「ワインディング・ロード」 「時を超えて」 「湖上の花火」 「街の灯り」 「旅路の果て」

冒頭の「空の彼方」をキーにした連作物語である。当初はそうは思わず、それぞれの物語に結末がなく、読者に想像させる仕組みなのだと思ったが、さにあらず。冒頭の手記のような小説がリレーのようにバトンタッチされていき、受け手にさまざま影響を与えては、また次にバトンタッチされていくのである。そして、長い時間をかけて熟成された壮大な物語は、次々にあちこちと繋がって完成されるのである。読み終えてあたたかい気持ちになれる一冊である。

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