マル合の下僕(しもべ)*高殿円

  • 2015/02/01(日) 17:13:05

マル合の下僕マル合の下僕
(2014/10/22)
高殿 円

商品詳細を見る

学歴最高、収入最低、おまけに小5養育中の、29歳私大非常勤講師(ワーキングプア)。俺には、大学で生き残るしか道はない! マル合――それは、論文指導ができる教員。関西最難関のK大で出世ルートを歩むはずだった俺は、学内派閥を読み間違え私大に就職。少ない月収を死守しながら、姉が育児放棄した甥っ子も養っている。そんなある日、大切な授業を奪いかねない強力なライバル出現との情報が……。象牙の塔に住まう非正規雇用男子の痛快お仕事小説。


関西で最難関のK大で博士号を取り、順調に社会人生活を滑り出した瓶子貴宣(へいしたかのぶ)だったが、派閥争いを読み違えたのをきっかけに、月収12万のワーキングプアに成り果てる。それでもやりたい研究、書きたい論文は山のようにあり、意に染まなくてもマル合(論文指導ができる教授)の軍門に下り、正規職員の座を手に入れるべきかどうか煩悶する。そんな折、素行不良の姉の息子・誉がぼろアパートのドアの前に置き去りにされ、否応なく二人暮らしが始まる。学歴や研究に自信はあるものの、上手く歯車がかみ合わず自らを卑下する貴宣だが、できのいい甥の誉れを初めとして、結構周りには恵まれているように思える。そしてなにより、やられたら頭脳を駆使してやり返す逞しさが好ましい。これから先もおそらく順風満帆とはいかない気がするが、めげずにその道を進んで行ってほしいと、応援したくなる一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する