京に上った鍋奉行*田中啓文

  • 2015/02/06(金) 18:30:34

京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)
(2014/12/16)
田中 啓文

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大坂の町に、将軍家治のご落胤「天六坊」なる者が現れた。すわ天下を揺るがす一大事!のはずが、こんな時でも大食漢の西町奉行・大邉久右衛門の頭の中は美食の探究一辺倒。貧乏飯屋「業突屋」のトキ婆さんからもらったハゼを天ぷらにしたのだが、どうにも口に合わない。実は大坂と江戸の天ぷらには大きな違いがあって…(「ご落胤波乱盤上」)。他、型破り奉行が大活躍の2編を収録。シリーズ第4弾。


相変わらずの久右衛門である。たらふく食べては次の食事時まで寝ていることもよくあることで、周りも困りながらもそんなものだと心得ている風である。だが今回も、その食通ぶりがものを言って、事を解決してしまうのである。それが久右衛門の思慮深さによるものなのか、はたまた偶然の運によるものなのかは神のみぞ知る、である。とはいえ、ただ食べて寝ているだけではない懐の深さと人を見る目を披露した今作である。勇太郎と小糸の恋物語の進展は、今回も足踏み状態。何とももどかしいことである。次はどんなおいしいものが出てくるか愉しみなシリーズである。

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