星やどりの声*朝井リョウ

  • 2015/02/13(金) 18:21:56

星やどりの声星やどりの声
(2011/10/28)
朝井 リョウ

商品詳細を見る

亡くなった父が残したもの……喫茶店、星型の天窓、絆、そして、奇跡。三男三女母ひとり。ささやかな一家が出会う、ひと夏の奇跡の物語。家族が”家族を卒業する”とき、父の残した奇跡が降り注ぐ……。


長男・光彦、三男・真歩、二女・小春、三男・凌馬、三女・るり、長女・琴美、とそれぞれで章を成し、全体として早坂家のある時期を描いた物語である。大好きだった父が亡くなり、心に空洞を抱えながらも、経済的にも大変な母を囲むように、それぞれが自分の役割を果たしつつ日々を暮しているのが、健気で胸を突かれる。亡くなってなお、日々のあれこれの中に父はいて、家族の標になっているようで、あたたかく切ない気持ちにさせられる。誰もが少しずつ何かを我慢し、胸の裡にしまって過ごす日々は、穏やかでありながら屈託のあるものでもあるだろう。最後の数ページは、こみ上げるものを抑えきれなかった。星窓の小空を見あげながらビーフシチューを食べたくなる一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する