透明カメレオン*道尾秀介

  • 2015/03/31(火) 07:22:03

透明カメレオン透明カメレオン
(2015/01/30)
道尾 秀介

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ラジオのパーソナリティの恭太郎は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが―。陽気な物語に隠された、優しい嘘。驚きと感動のラストが心ふるわす―。


声と見た目のギャップが激しすぎるだけの主人公・桐畑恭太郎とその仲間たちの笑えるがちょっぴり切ない物語かと思って読んでいたのだが、ラスト近くなって事情が判ってみると印象が一変する。バー「if」の常連客たちは、ママをはじめ誰もが個性的で、一見能天気にも見えるのだが、それぞれが抱えているものの重さが読者の胸にも重く沈む。だが、重苦しいだけではなく、途中から紛れ込んだ恭太郎に対する態度は、どこの誰よりもあたたかく、思わず胸が熱くなるのである。この人たちがいればいいじゃないか、でもみんなに幸せになってほしい、と思わされる一冊である。

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この記事に対するコメント

どちらかといえば、「救われないラスト」が多い気がする道尾さん(失礼)ですが
こううまくまとめられると、さすがにうまいなぁ、とため息つきました
系統的には貫井さんと(デヴューの年代も)よく似ている印象で
読んでいても、「あれ作者は?」と戸惑うことも多くなってきたのは
加齢症でしょうか?

  • 投稿者: チョロ
  • 2015/03/31(火) 17:29:03
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ほんとうに、「さすがにうまいなぁ」という一冊でしたね。
後味の悪さもなく、この先の希望まで感じられて、好みのラストでした。

わたしもときどき、あれ?と思って
著者名を見直すことがあります。
でも、いろんなテイストの作品を読めるのも嬉しいですよね。
決して加齢症ではないと思います。^^♭

  • 投稿者: ふらっと
  • 2015/03/31(火) 18:24:35
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