キッズタクシー*吉永南央

  • 2015/04/28(火) 07:31:38

キッズタクシー (文春文庫)キッズタクシー (文春文庫)
(2015/03/10)
吉永 南央

商品詳細を見る

タクシードライバーの千春には、正当防衛で人を死なせた過去があった。ある日、千春のタクシーを予約していた小学生が失踪する。その後少年の行方は判明したが、千春の過去に関連づけた噂が流れたため後味の悪さを残していた。さらに彼女の周りでは、不穏な出来事が相次ぐ。一体誰の、どんな思惑があるのか。


キッズタクシー。塾や病院、学校などへ、会員の依頼を受けて子どもを送り届けるタクシーである。実際こんなタクシーがあるのかどうかは知らないが、このタクシーのドライバー千春が主人公である。担当する子どもは基本的には決まっているので、子どもの性格もある程度把握しているし、乗車時の様子でいつもと何かが違うとか、言いたいことがありそうだとか、気がつくこともある。ある日、トラックの荷崩れ事故に巻き込まれ、約束の時間に二分遅れて到着すると、そこに待っているはずの壮太はいなかった。それが事の起こりである。千春の過去と現在、そしてこれから。ひとり息子の修との関係。いなくなった壮太と母・公子の関係。職場の人間関係。さまざまなつながりが、それぞれの事情と絡み合い、がんじがらめにされていく。やりきれなさと切なさに胸を締めつけられ、人の想いのあたたかさに熱いものがこみ上げる一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する