にぎやかな落ち葉たち*辻真先

  • 2015/05/10(日) 06:57:39


北関東の山間にたつグループホーム「若葉荘」。世話人は元天才少女小説家。居住者は自在に歳を重ねた高齢者たちと、車椅子暮しながら筋骨隆々の元刑事と、身寄りのない彼の姪。賑やかで穏やかな日々は、その冬いちばんの雪の日、とつぜん破られる。密室に転がった射殺死体の出現によって―ホーム最年少の少女スタッフは、隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか!?半世紀を超える筆歴を持つ日本一やんちゃな巨匠が、稚気と叙情と茶目っ気を縦横に駆使して描く、本格ミステリ長編!


まず、登場人物がそれぞれに個性的で、にもかかわらず親しみやすく、読者もあっという間に若葉荘の雰囲気に馴染めてしまうので、つい入居者の一人になった心地で読んでしまう。最年少、17歳の綾乃は、世話人の寥(りょう)を甲斐甲斐しく手伝いながらも、人一倍屈託を抱えているのが端々に伺えて気になる。仕事熱心とは言いかねる杵谷が解雇もされずに若葉荘にいるのも気にかかる。何かが起きそうだと思っているところに大雪で道路が閉ざされ、殺人事件が起きるのである。過去から続く恨みの気持ちと時のいたずら、そして別の流れが加わったとき、とんでもない力になってしまったのである。何度もそうだったのかと思わされる一冊である。

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