鳩の撃退法(上)*佐藤正午

  • 2015/05/14(木) 06:56:38


かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。


上巻を読む限り、まだタイトルの意味は判らない。そして物語自体も、売れない作家・津田伸一の困った日常に突如として紛れ込んだ夢物語が一転して疑心暗鬼の世界に追いやられるかと思えば、家族三人失踪事件に至る物語が延々と挿入されていたり、しかもどこかで見た憶えがある話だったりするので、どこに重きを置いて読めばいいのか戸惑いもある。下巻では、このとりとめのなさが、ある人物をキーにして、一点に収束していきそうな予感はあるが、どんな収束の仕方をするのかは全く読めず、下巻が愉しみな一冊である。

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