キャプテンサンダーボルト*伊坂幸太郎 阿部和重

  • 2015/05/17(日) 16:33:28


世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。


阿部和重氏の作品は未読なので、特徴は判断しかねるが、伊坂氏の持ち味は充分出ていると思う。特に、これ以上ないほどさり気なくつぶやかれたひと言が、後々、パズルのピースをひとつずつはめ込むように拾われていくところなど、ぞくぞくさせられる。物語は序盤はどこにどう運ばれていくのか見当がつかなかったが、中盤からは、いくつかの流れがいつどんな風に大きな一本になるのかという興味で一気に読み進んだ。いちばんの功労者は巻き毛の犬・ポンセ(?)だったりしてね、などと思ったりもする。現在の世情に鑑みても、イヤな感じの物語ではあるのだが、あっちもこっちも丸く治まって、めでたしめでたしのラストがなかなか好ましい一冊である。

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