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ごんたくれ*西條奈加

  • 2015/06/07(日) 10:55:53

ごんたくれ
ごんたくれ
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西條 奈加
光文社
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当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪こと彦太郎。その応挙の絵を絵図とこき下ろし、我こそ京随一の絵師と豪語する深山箏白こと豊蔵。彦太郎が豊蔵を殴りつけるという最悪の出会いから、会えば喧嘩の二人だが、絵師としては認め合い、それぞれ名声を高めながら数奇な人生を歩んでいく―。京画壇華やかなりし頃を舞台に、天才絵師の矜持と苦悩、数奇な生き様を描いた、読みごたえたっぷりの傑作時代小説!


絵師として、ひとりの人間として、どう生きるかが描かれた物語である。絵師として名が売れたものが人間的にも優れているかと言えば、あながちそうでもなく、ひと癖もふた癖もある人物が大成したりもする。円山応挙という穏やかで技を極めた師匠の下で、その色に染まらない画風を貫きながらも師匠を尊敬し、葛藤し続けた彦太郎と、応挙をも彦太郎もけなし続け、独自の道を行く豊蔵の、絵師としてのぶつかり合いと、人間としての心の通い合いが興味深い。内容紹介のとおり、読みごたえたっぷりの一冊である。

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