福家警部補の追及*大倉崇裕

  • 2015/06/11(木) 18:40:02

福家警部補の追及 (創元クライム・クラブ)
大倉 崇裕
東京創元社
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狩秋人は未踏峰チャムガランガへの挑戦を控え、準備に余念がない。勇名を馳せた登山家の父・義之がついに制覇できなかった山である。義之は息子に夢を託して引退、この期に及んで登山隊の後援をやめると言った会社重役を殺害する(「未完の頂上」)。動物をこよなく愛する佐々千尋はペットショップの経営者。血の繋がらない弟は悪徳ブリーダーで、千尋の店が建っている敷地を売ろうとする。そもそも動物虐待の悪行に怒り心頭だった千尋は、弟を亡き者に……(「幸福の代償」)。『福家警部補の挨拶』に始まる、倒叙形式の本格ミステリ第四集。


刑事コロンボを思い出させる福家警部補である。とても刑事には見えない小柄で若い女性というキャラクタを生かし――と福家警部補地震は思っていないだろうが――これと目をつけたホシに近づき、しぶとく食らいついてじわじわと追いつめる。キャラクタとのギャップが相変わらずなんとも小気味よい。ここはドラマの配役に引きずられずに愉しみたい(とは言えときどきちらついてしまうのが鬱陶しい)。強面の男性刑事が現れると身構えている犯人も、きっと調子が狂うのだろうなぁ。最後の最後には自白に追い込む手腕は見事である。福家警部補の次の活躍も早く見たいシリーズである。

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