ヒポクラテスの誓い*中山七里

  • 2015/06/28(日) 19:09:06

ヒポクラテスの誓い
ヒポクラテスの誓い
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中山七里
祥伝社
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「あなた、死体は好き――?」 栂野真琴は浦和医大の研修医。単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのか―—。 凍死、事故死、病死……何の事件性もない遺体から偏屈な 老法医学者と若き女性研修医が導き出した真相とは? 死者の声なき声を聞く迫真の法医学ミステリー!


「生者と死者」 「加害者と被害者」 「監察医と法医学者」 「母と娘」 「背約と誓約」

医師が取るべき行動の規範を示したヒポクラテスの誓いがタイトルである。医師は常に患者の利益を考え、どの患者をも等しく扱うべきである、というその教えは、法医学教室の教授・光崎の行いそのものである。そして彼に心酔するキャシー准教授もその教えに従っている。そんな法医学教室に単位不足故に送り込まれた真琴は、初めは納得できず反感を覚える場面も多々あったが、光崎の揺るがない行動原理と巧みな手技に接するうちに、次第に心がけが変わってくるのである。光崎教授のところに出入りする古手川刑事とのやり取りもお決まり感はあるものの、ちょっとしたスパイスにもなっていて好感が持てる。光崎教授の真の思惑は想像外だったが、それがまた光崎らしくていい。好きな一冊である。

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