八つ花ごよみ*山本一力

  • 2015/07/24(金) 07:29:55

八つ花ごよみ (新潮文庫)
山本 一力
新潮社 (2012-04-27)
売り上げランキング: 243,699

満開の美しさも散りゆく儚さも、一緒に眺めたいと願うのはいつだってただ一人、おまいさんだけだった。幾年もの時を重ね、季節の終わりを迎えた夫婦が愛でる花。あるいは、苦楽をともにした旧友と眺める景色。桔梗、女郎花、菖蒲、小梅、桜…移ろいゆく花に、ゆっくりと熟した想いを重ね綴られる、八つの絆。江戸市井に生きる人々の、ゆかしい人情が深く心に泌み渡る、傑作短編集。


「炉ばたのききょう」 「海辺橋の女郎花」 「京橋の小梅」 「西應寺の桜」 「佃町の菖蒲」 「砂村の尾花」 「御船橋の紅花」 「仲町のひいらぎ」

花を織り込んだ物語八編である。主人公はそれぞれもう若くはないが、さまざまな事情を抱えて時を重ねてきた人たちである。花を愛でる余裕などないときにも、そのそばにはひっそり咲く花があり、周りには見守る目もあるのである。淡々と静かに語られる出来事に、愛おしささえ感じられるようになる一冊である。

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