踊り子と探偵とパリを*小路幸也

  • 2015/08/12(水) 13:01:37

踊り子と探偵とパリを
小路 幸也
文藝春秋
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きらめく恋とのろわれた宝石。“ディープ・レッド・ハート”またの名を“永遠の淑女”。美しいときに手に入れれば、美しさを永遠に残したままに死んでいく。魅惑の、赤いダイヤモンド。1920年代のパリを舞台に、燃える焔を瞳に宿した美貌の踊り子と作家志望の英国青年ユージンそして米国人探偵マークが、伝説の宝石をめぐり、華麗な冒険を繰りひろげる。


華やかなパリを舞台に繰り広げられる探偵物語であり、恋物語であり、友情物語である。パリの路地裏、ホテルの地下室に暮らしながら小説家を目指すユージン。ある日裏路地で襲われたところを助けられたのがマークとの出会いである。その日からユージンはめくるめく出来事の主役になるのだった。それから60年経って年老いたユージンがしたためる、物語の前文から本作ははじまり、60年前の日々へと戻っていくのである。はらはらどきどきしながらユージンと仲間たちとの活劇を愉しみ、ほっとしながらも寂しさを感じていると、どこからが現実でどこまでが物語なのか、境界線が曖昧になる。いまはいつなのか、ほんとうにいたのは誰だったのか。懐かしくて切なく、じんわり熱い一冊である。

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