怪獣の夏 はるかな星へ*小路幸也

  • 2015/08/24(月) 18:31:07

怪獣の夏 はるかな星へ (単行本)
小路 幸也
筑摩書房
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人気作家、初の怪獣小説。1970年夏、子供たちが体験する奇妙な出来事。謎の機械人間や怪獣が次々と町を襲う。そして公害に汚れた地球を救うのはだれか?


児童書のような趣の物語である。現在のように環境問題に配慮することがなかった時代。工場はその排水を平気で川に流し、川はヘドロと有毒ガスにまみれていた。このままでいいはずがないと判っていながら、当事者たちは目を瞑っていた。そんな時代の哀しくあたたかい物語である。なにしろ怪獣物語なので、設定が突拍子もないのは承知の上である。だがそれを於いても、子どもたちの純粋さと、家族や地球や未来を想い、夢見る力の輝かしさは、まさに光である。そしてそれを見守る心ある大人のまなざしは、彼らになによりも力を与えるのである。異星人がはるか昔から地球人に紛れ込んでいるという説は、子どもの頃よく想像したので、個人的には無理なく受け入れられた。夏休みに読むのにぴったりな一冊である。

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