白の祝宴--逸文 紫式部日記*森谷明子

  • 2015/09/03(木) 07:19:27

白の祝宴 (逸文紫式部日記 )
森谷 明子
東京創元社
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平安の世、都に渦巻く謎をあざやかに解き明かす才女がいた。その人の名は、紫式部。親王誕生を慶ぶめでたき場に紛れ込んだ怪盗の正体と行方は?紫式部が『源氏物語』執筆の合間に残した書をもとに、鮎川哲也賞受賞作家が描く、平安王朝推理絵巻。


中宮彰子の出産日記を編纂するようにと、土御門邸に呼び戻された紫式部が、次々に持ち込まれる女房たちの日記にいささかうんざりしながら、小さな祖語に着目し、さらに大きな疑問を解き明かしていきながら、真実にたどり着く物語であるが、時代や人間関係の複雑さもあり、現代のようにすっきりと白黒つけられるわけではなく、後世を見据えての思惑も見え隠れするのがまた一興でもある。ミステリ部分はもちろん、雅な日常と、その裏に蠢く女房その他の思惑の生々しさや奔放さもまた独特で興味深い。謎を解き明かしながら式部自身の人となりをも解き明かすような一冊である。

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