空色の小鳥*大崎梢

  • 2015/10/11(日) 13:39:00

空色の小鳥
空色の小鳥
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大崎梢
祥伝社
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「おまえはちがうから。この家から出ていくことを考えろ」三年前に急逝した兄・雄一と最後に交わした言葉。兄は微笑を浮かべていた。大企業のオーナーである西尾木家に後妻の連れ子として入ったものの、疎外感の中で暮らしてきた弟の敏也は、いまだにその真意が分からずにいた。ある日、偶然兄に内縁関係の妻子がいることを知った敏也は、妻・千秋が末期癌であることを突き止める。千秋の死後、六歳になる娘の結希を引き取ることにした敏也。だがなぜか、兄を溺愛したワンマン社長の父や一族には、そのことを一切知らせずに暮らし始めた……。敏也の真意とは? 静かな感動が胸を打つ著者渾身の家族小説!


著者には珍しい黒い思惑の渦巻く物語という印象で始まり、実際裏では打算にまみれた目論見が進行していきはするのだが、表に見える事象は実にほのぼのとあたたかく、愛と慈しみにあふれたものである。主人公の敏也と結希の関わりも打算だけでは成り立たない温か味にあふれているし、汐野や亜沙子の人柄も好感が持てる。血縁がすべての義父に憤りを覚えたりもしたが、ラストでそれも覆る。読み通してみれば著者らしい一冊だったと言える。

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