消えない夏に僕らはいる*水生大海

  • 2015/10/17(土) 16:56:08

消えない夏に僕らはいる (新潮文庫nex)
水生 大海
新潮社 (2014-09-27)
売り上げランキング: 123,150

5年前、響の暮らす田舎町に、都会の小学生たちが校外学習で訪れた。同学年の5年生と言葉を交わすうち、彼らを廃校に案内する。きもだめしをすることになった響たちは、ある事件に遭遇し、一人の女子が大怪我を負ってしまう。責任を感じ、忌まわしい記憶を封印した響だが高校生活に希望を抱くなか、あの日の彼らと同じクラスで再会する―少年少女の鮮烈な季節を描く、青春冒険譚。


小学校五年の夏の校外学習で体験した衝撃的な出来事を、そのときの五人(響、友樹、紀衣、ユカリ、宙太)は、何らかの形でそれぞれ引きずったまま高校生になって再開し、そのまま封じ込めようとしていたものが再びよみがえってきてしまう。五年生のときの立場や役割によって、それぞれが抱えるものが少しずつ違い、それがその後の性格形成にも影響を及ぼしていたり、僅かずつずれて微妙な気遣いになっているあたりが興味深い。高校のクラスの中の人間関係も絡み、面白く読ませるが、ラストの決着がいささか物足りなかった印象はある。彼らの本当の青春はこれから始まるのだと思わせてくれる一冊ではある。

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