孤狼の血*柚月裕子

  • 2015/10/21(水) 16:42:55

孤狼の血
孤狼の血
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柚月裕子
KADOKAWA/角川書店 (2015-08-29)
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昭和六十三年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―。


孤狼の血というタイトル通りの独断専行型で地元暴力団と持ちつ持たれつの関係を築いている暴力団係の刑事・大上の物語である。それは確かなのだが、それだけでは終わらない。配属されたばかりの若手刑事・日岡を可愛がり、暴力団捜査のイロハを伝授する大上の姿を、亡くなった息子と同じ名前に親近感を覚え、育てようとしたのだと思っていたが、ラストの種明かしのあとは、すべて納得ずくだったのだと思えてきて、大上の懐の深さにやられてしまった。決していいこととは思わないが、ある程度の必要悪ということもあるのではないかと思わされる一冊でもある。

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