国道沿いのファミレス*畑野智美

  • 2015/10/26(月) 07:23:02

国道沿いのファミレス
畑野 智美
集英社
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第23回小説すばる新人賞受賞作
仕事上のトラブルで左遷され、6年半ぶりに帰郷した善幸。一見静かな町では、親友、家族、恋人、そして勤務先のファミレスでも、一筋縄ではいかない人間関係が・・・。現代をリアルにすくう青春小説。


これが現代をリアルにすくっているとしたら、現代って一体なんなのだ、と思わなくもないが、現代に生きる人間も多様なのだから、こんな現代もあるかもしれないということで一応納得する。主人公のチェーン店のファミレス社員・佐藤善幸も、その父も、善幸の恋人の綾も、その他の登場人物たちも、ほとんどが、なにに対しても行き当たりばったりの「なんとなく」な印象なのが、ものすごくもやもやしてしまう。シンゴ(とその恋人の吉田さん)が辛うじて、総崩れになるのを食い止めているように思われる。ラスト近くになってようやく、善幸の芯にわずかな力を感じられるようになったのがせめてもである。何気ない日常が興味深く読めるのは、やはり人物ありきなのかもしれないと思わされた一冊でもある。

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