ラプラスの魔女*東野圭吾

  • 2015/11/12(木) 09:35:42

ラプラスの魔女
ラプラスの魔女
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東野 圭吾
KADOKAWA/角川書店 (2015-05-15)
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"円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
作家デビュー30年、80作目の到達点。

これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。 ――東野圭吾"


手術によって機能を高められた脳による予測、遺伝的に父性を持たない者としての生き方、自然現象がもたらす脅威。それらさまざまな要素が複雑に絡み合って起こってしまった、凡人には不可解な出来事の物語である。特殊な能力を身に着けることになった謙人にとって、世界はどんなふうに見えていたのだろう。そして、自ら望んで手術を受けた円華が得たものの価値は、失ったものより大きかったのだろうか。警察やボディーガード、大学教授らを振り回しながら、謙人がたどり着き、円華が追いかけたことの、あまりの哀しさやり切れなさに胸が塞がれる思いがする。面白かったことは間違いないが、好みとしては、理詰めで解き明かしていく物語の方が好きかもしれない。果しない荒野に荒んだ風が吹く印象の一冊である。

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