闘う君の唄を*中山七里

  • 2015/12/02(水) 18:50:33

闘う君の唄を
闘う君の唄を
posted with amazlet at 15.12.02
中山七里
朝日新聞出版
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新任教諭として、
埼玉県秩父郡の神室幼稚園に赴任した喜多嶋凛。
モンスターペアレンツたちの要求を果敢に退け、自らの理想とする教育を実践するのだが……。
どんでん返しの帝王が仕掛ける物語は、いったいどこへ向かうのか?
読者の予想を裏切る著者の真骨頂!


 一. 闘いの出場通知を抱きしめて
 二. こぶしの中 爪が突き刺さる
 三. 勝つか負けるか それはわからない
 四. 私の敵は私です
 五. 冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ

主人公は、幼稚園の信任教諭・喜多嶋凛。前半は、凛の理想に向かう熱意と子どもたちへのあふれる愛情と、保護者会という名のモンスターペアレンツの対決という図式である。よくあるように、凛の熱意がいつしか親たちのかたくなさを解きほぐし、これで何もかもうまくいくかと思わせる。ここまでは、これまでの著者の作風とかなり違う印象なのだが、中山流が本領発揮するのはまだまだこれからだったのである。園児に慕われ、保護者からも認められつつある凛の立場ががらりとひっくり返る事態になる。このまま凛は埋もれてしまうのかと不安になった矢先、またまた事態はひっくり返るのである。そうくるか、と思わされるような厭な感じである。子どもたちや園のことを考えると暗い気持ちになるが、きっと凛はここからもうひと踏ん張りするだろうと応援したくもなる一冊である。

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