明治・金色キタン*畠中恵

  • 2015/12/22(火) 19:35:12

明治・金色キタン
明治・金色キタン
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畠中 恵
朝日新聞出版
売り上げランキング: 8,206

にぎやかなキャラクター達の織りなす楽しさ、軽妙さに加え、恐ろしい妖の要素で背筋がぞくっともさせられる、「明治・妖モダン」シリーズ絶好調の第2弾!
明治21年の東京・銀座。巡査の滝と原田は、日々持ち込まれる事件や相談事の解決に奔走する熱血漢コンビ。だがこの二人と仲間たち、時折何やら人間離れした「妖(あやかし)」の姿をも見せるのです……!?
不忍池の競馬場、女学生と結婚事情、頼母子講+宗教的な集まりなどなど、明治の風俗がたっぷり楽しめる、1話完結の痛快な謎とき短篇集。さらに全編を通して、廃仏毀釈によって消えた寺と仏像の大きな謎もドラマチックに描かれる会心作です。


明治の銀座の派出所の巡査・滝と原田、そして彼らがたびたび顔を出す百木屋に集う面々が、巻き込まれ、持ち込む事件とその顛末の物語である。ただいささか常と違うのは、どうやらこの面々、銀座で普通に暮らしてはいるのだが、ただならぬ者たちであるようなのである。その辺りの可笑しさ、痛快さも興味深く、舞台が現代ではこうは上手くいかなかっただろうと思われて、江戸から明治に替わりはしたが、まだまだ一歩踏み入れば江戸の色の濃い混沌とした時代ゆえの大らかさも見て取れて、物語に深みを出している印象を受ける。あまりにも世の中が変わり過ぎて、なにが起こっても驚かず受け容れてしまえそうな時代だったのかもしれないと想像したりもしてしまう。事件も廃仏毀釈がらみで、祟りだのなんだのと混沌としているのもこの時代らしい。これも長く続いてほしいシリーズである。

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