リバース*湊かなえ

  • 2016/01/23(土) 18:52:09

リバース
リバース
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湊 かなえ
講談社
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深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのために――。
深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。


大学のゼミ仲間と友人の別荘に出かけたとき、遅れてきた別荘の主本人を車で迎えに行った広沢が、崖から落ちて亡くなった。そのことを胸に抱えて社会人になった深瀬たちに、「人殺しだ」という告発文が届き、事態が新たに動き出す。広沢のことを知りたいと、彼をよく知る昔の友人たちに話を聴いて回る深瀬だったが……。それぞれの身勝手さ、心の弱さ、保身など、さまざまな面があぶりだされる中、最後の最後の最後の最後にとんでもない事実が明らかになるのである。まさにオセロゲームの白黒が一瞬にして入れ替わるように、世界の見え方が裏返るのである。一瞬思わず息を呑んだ。最後にタイトルの意味に納得する一冊である。

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