プラージュ*誉田哲也

  • 2016/02/07(日) 17:12:03

プラージュ
プラージュ
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誉田 哲也
幻冬舎
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あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語。 悪と正義、法と社会、加害者と被害者……。
読む者の常識や既成概念を揺るがす、新たなエンターテイメント小説。
たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。やっと見つけたシェアハウス「プラージュ」で、人生やり直す決意をするも、個性豊かな住人の面々に驚かされることばかりの毎日。さらに、一人の女性住人にあることを耳打ちされて……。
住人たちのそれぞれの秘密が明かされる時、新たな事件が起きる。


「海辺」という意味のプラージュという名のカフェ。その二階は、ドアのないシェアハウスになっていて、脛に傷もつ面々が暮らしている。事情はそれぞれだが、互いに詮索せず、自立に向けて一時期をそこで過ごすために、オーナーの潤子が用意した場所である。一緒に暮らすうちに、少しずつ見えてくる互いの事情、そして過去からの呪縛。罪と罰、更生と世間の目、そして何より自分の気持ち。そんな一筋縄ではいかない日々が、淡々と描かれている。なにが正しいのか、どうするのが正解なのか。それに答えが与えられることはないのかもしれないが、プラージュが寄る辺なく流れつく人々の海辺になったことは確かだろうと思われる。罪は許されないとしても、人が変わることのできる可能性は誰にも否定できるものではないのかもしれない。早いうちからずっとそこを流れていた疑問は、最後近くに解決され、予想の範囲だったが、その事実にも胸が痛む。誰にも、あしたも生きようと思えるきょうがあってほしいという思いがこみ上げてくる一冊である。

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