わが心のジェニファー*浅田次郎

  • 2016/02/14(日) 18:53:23

わが心のジェニファー
浅田 次郎
小学館
売り上げランキング: 27,492

浅田次郎が描く、米国人青年の日本発見の旅!

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。
日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。……。慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。
圧倒的な読み応えと感動。浅田次郎文学の新たな金字塔!


物心つく前に、両親が自分を捨てて離婚し、祖父母に育てられたラリーは、自分のアイデンティティにコンプレックスを抱えたまま、これまでの人生を過ごしてきた。そんな折、結婚しようと思っている日本贔屓の恋人ジェニファーに、「日本をその目で見て感じてきて」と言われ、単身、PCも携帯も持たず、ポジとネガのガイドブック二冊を携えて日本に乗り込んだのだった。さまざまなカルチャーショックを受けながら、日本各地を旅して歩くラリーの様子が、微笑ましくもあり、日本を再発見する喜びも与えてくれて、ラリーと一緒に旅を続ける気分になった。そして最後の地は、北海道の釧路である。途中何度か、「もしや?」と思わないではなかったが、運命の神様のなせるわざとしか言えないラストである。出来過ぎの感は無きにしも非ず、ではあるが、これでラリーも自信をもって自分の家族を作れることだろう。いろんな意味で興味深い一冊だった。

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