かぜまち美術館の謎便り*森晶麿

  • 2016/02/20(土) 19:06:24

かぜまち美術館の謎便り
森 晶麿
新潮社
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18年前に死んだはずの画家から届いた絵葉書が封印された町の過去を解き明かす―イクメンでカリスマ学芸員のパパと保育園児のかえでちゃん。寂れゆく町に引っ越してきた、オアシスのような父娘コンビが、ピカソ、マティス、ゴーギャン、シャガールらの名画解釈をもとに、夭折の天才画家が絵に込めた想いを読み解き、その最期の真相に迫る!


保育士のカホリの隣に引っ越してきたのは、町の美術館の館長に就任したカリスマ学芸員の佐久間と娘のかえで父娘。かえではカホリの保育園の園児でもある。そしてカホリの兄・ヒカリは、絵を描いていたが、若くして亡くなっていた。カホリの胸のなかに澱んでいる思いや、町に停滞しているわだかまりを、かえでの子どもらしい発想と、巨匠たちの絵画を通して、佐久間が解きほぐしていく。ひとつひとつの謎に答えを与えるだけでなく、物語全体を通しての大きな謎である、ヒカリの死とある日忽然と姿を消した、ミツバチと呼ばれる郵便配達員の件にも、佐久間は光を当てるのである。生臭い事件の記憶を掘り返す合間の、かえでと佐久間のやり取りがほのぼのしていて、暗くなりがちな気分を和ませてくれるのも嬉しい。胸がきゅんとして、あしたが明るく思えてくる一冊である。

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