わたしの宝石*朱川湊人

  • 2016/02/22(月) 17:06:41

わたしの宝石
わたしの宝石
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朱川 湊人
文藝春秋
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さみしさが目に見えたら、世界はどう変わるだろうか。苦しいほどの感情が胸に迫る。名手が放つ、切なさと爽快感いっぱいの直球6編!


ある年齢以上の人ならたいていが懐かしさとともに、そこはかとない寂しさを覚える風景が広がっている。自分の子ども時代と、あるいは青春時代と照らし合わせ、そのころ流れていた空気感まで甦ってくるようである。そんな中で、寂しさを抱えながら、現在のように気軽に声を上げられずにいる人たちがいる。そしてなんとなく事情を知りながら、深く入って行けない人たちもいる。この物語たちを読むと、寂しさというのは、隠そうとすればするほど、近しい人には見えてしまうものなのではないだろうかと思われてくる。そして、見えてしまっても手を差し伸べることができない寂しさもまたある。多くの人は、そんなどうにもできない寂しさを飼い慣らしながら日々を生きているのかもしれない。寂しくもなるが、胸の奥がほのかにあたたかくもなる一冊である。

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