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最悪*奥田英朗

  • 2005/01/09(日) 08:48:12

☆☆☆・・


 秀逸な群像劇にして、胸に迫る感動。
 作家性を如何なく発揮した傑作
 第13回直木賞受賞!!!

                         (文庫帯より)

『最悪』以外にタイトルのつけようがない、というのがまず第一の感想である。
小さな町工場の社長・銀行員の女性・パチンコ屋に入り浸り日銭を稼ぐ若者、同じ町で生きているこの三人の逃げ出したいこともあるがささやかな喜びもある生活が並行して描かれていき、あるところで突然とんでもない接点を持つのである。
それぞれの人物の思考と行動が、抗いようもなく裏へ裏へと迷いこんでいく過程は、読んでいても息苦しくなる。
ほんの少しだけゆっくり考える時間があれば、≪悪≫にはなっても≪最悪≫にまでは至らないのかもしれない。

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