ロング・ロング・ホリディ*小路幸也

  • 2016/03/04(金) 17:15:47

ロング・ロング・ホリディ
小路 幸也
PHP研究所
売り上げランキング: 194,786

でも、僕らは探していたんだ。見えない未来を。この場所で――。
夢、進路に、恋……、真剣に向き合ったあの日々が、いまの僕を支えてくれているんだ。
1981年、札幌。喫茶店〈D〉でアルバイトをしている大学生・幸平のもとに、東京で働いているはずの姉が「しばらく泊めて」と突然、現れた。幸平は理由を聞き出せないまま、姉との暮らしを始める。
一方、〈D〉では、オーナーと店長が「金と女」のことで衝突してしまう。そんな二人を見て、幸平たちは“ある行動"に出る。それは一人の女性を守るためだったが、姉の心にも影響を与え……。
「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者による喫茶店に集う若者たちの苦悩と成長を描いた長編小説。


1981年が舞台だが、現在に置き換えても充分通用する物語だと思う。喫茶店でアルバイトしながら大学に通う男の子たちと、事務員の同世代の女の子、店長、そして社長。そこに常連客達を絡めた人間関係の、その場でだけ成立するような独特な雰囲気に、体育会系の青春のノリを感じてしまう。夢を持って、仲間や仕事を大切に思い、互いの個性を尊重し合って過ごす彼らの姿勢は好ましいのだが、この雰囲気の中に身を置きたいかと訊かれたら、個人的にはいささかためらってしまうかもしれない。だが、大人の事情も踏まえつつ、彼らにできる役割をしっかり果たしたのだろうとは思う。わたしにとっては、もうひとつノリきれない一冊だったかもしれない。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する