僕とおじさんの朝ごはん*桂望実

  • 2016/04/10(日) 20:38:12

僕とおじさんの朝ごはん
桂 望実
中央公論新社
売り上げランキング: 458,713

ぐうたらで無気力に生きるケータリング業者の水島健一。先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなる―。少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか!書き下ろし感動長篇!「生きるということ」「残されたものの哀しみ」とは。究極の問いに挑んだ、桂望実の最新作!


「面倒くさいから」が口癖の水島健一はケータリングを生業としているが、仕事に臨む姿勢も見るからにいい加減である。それがいいわけではないが、そうなったには理由があったのだった。そしてある日、腰痛の治療のために通うリハビリセンターで出会った長期療養中の少年・英樹と親しくなっていく。「人の命」という唯一無二でかけがえのないものを芯にして、健一は自分の芯を取り戻していく。普通の大人とはひと味違う反応をする健一は、初めはからだに力がこもらないような無気力さが目立っていたが、次第に人のことを慮る姿に変わっていくのが、読みながら嬉しくもなる。健一が、過去の屈託から少しでも解き放たれる日がくるといいと思わされる一冊である。

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