アシタノユキカタ*小路幸也

  • 2016/04/23(土) 07:43:23

アシタノユキカタ
アシタノユキカタ
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小路幸也
祥伝社
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「先生、この子を母親のところまで連れて行ってくれないかしら」 ある日、十歳の少女あすかを連れて訪ねてきたキャバクラ嬢の由希は、札幌に暮らす「片原修一」に迫った。あすかは高校教師だった彼の教え子鈴崎凜子の娘で、由希は凛子の親友だという。凛子は現在、帰省した熊本で緊急入院しているらしい。なぜ僕が?と応じる「修一」に、かつて二人が〝特別な関係〟だったことを持ち出す由希。かくしてそれぞれが抱える〝大人の事情〟も絡み合う、日本縦断七日間の奇妙な旅が始まった――。 札幌から熊本まで2000キロ。『東京バンドワゴン』の著者が描く心温まるロードノベル。


不思議な組み合わせの北海道から九州までの珍道中である。設定は結構シリアスで、無理やり感も無きにしも非ずなのだが、なんだかすべてを許せてしまうようなほのぼのした印象もあり、子どもには聞かせられない話も多々あるものの、当の子どもがいつもしっかり傍にいる。悪いやつも出てくるが、結局役に立ってしまっていたりする。基本、著者の物語に根っからの悪人は出てこないというところで、読者も安心して展開を愉しむことができるのである。物語が終わるところが、ほんとうの物語のはじまりでもあるのだと改めて思わされる一冊でもある。登場人物ひとりひとりのその後を想うと、しあわせそうな顔しか思い浮かばないのもいい。

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