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ハゴロモ*よしもとばなな

  • 2003/10/21(火) 19:46:50

☆☆☆・・   ハゴロモ

人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。
いつのまにかふわっと包まれ、今まで自分をしばっていた重く苦しい重力から
ふいに解き放たれ、魂が宙に気持ちよく浮いている。


この物語のかたりべである ほたるの思い。
これが この作品の全てと言っても けっして言い過ぎではないだろう。
そういう感じが 全編に満ち満ちている。

自然の営み、宇宙の営みから 無理なく何かを受け取れるというのは
訓練とか 修行とかで得られるものでは なかなかなく
命の中に 自然に芽生えるものなのだろう。
とても羨ましく 憧れを持って遠くから眺めてしまう。
ばななさんの描く 何かに疲れた女の子は いつもそんな風に自然や宇宙に寄り添うように近く
私を しばらくの間 ほっとさせてくれる。

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