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ノッキンオン・ロックドドア*青崎有吾

  • 2016/05/16(月) 17:16:51

ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)
青崎 有吾
徳間書店
売り上げランキング: 9,654

密室、容疑者全員アリバイ持ち、衆人環視の毒殺など「不可能(HOW)」を推理する御殿場倒理と、理解できないダイイングメッセージ、現場に残された不自然なもの、被害者の服がないなど「不可解(WHY)」を推理する片無氷雨。相棒だけどライバル(!?)な探偵ふたりが、数々の奇妙な事件に挑む!


悪魔のような真黒な巻き毛の御殿場倒理は不可能犯罪を、紺色のネクタイを締めたサラリーマンのような出で立ちで、いつも助手に間違われる片無氷雨は不可解犯罪を解き明かす探偵である。事務所の名前は「ロッキンオン・ノックドドア」。ノックの仕方によって、ドアの外に立つのがどんな人物かが判るからという理由で、インターホンも呼び鈴もつけていないのである。そして薬師寺薬子ちゃんという家事全般をこなす女子高生が、週に何度かアルバイトにきている。始終暇な探偵事務所であるが、たまに学生時代からの腐れ縁の仲介者、神保が事件を持ってやってくる。不可能と不可解、二人の探偵が牽制しつつ、憎まれ口をききつつ、結局は助け合って事件を解決する過程を愉しめる。やはり学生時代からの腐れ縁の女刑事、穿地との絡みも、お約束ながら面白い。なにやら過去に屈託がありそうな彼らであり、これは続編があるのだろう。倒理と氷雨の関係も気になる一冊である。

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