いつかの人質*芦沢央

  • 2016/05/17(火) 18:42:13

いつかの人質
いつかの人質
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芦沢 央
KADOKAWA/角川書店 (2015-12-26)
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幼い頃に連れ去りにあい、失明した愛子。借金を残し失踪した妻・優奈を捜す、漫画家の礼遠。行方をくらました優奈は、誘拐犯の娘だった。事件から12年、魔の手が再び愛子を襲う! 戦慄のサスペンス・ミステリー。


小さな偶然が重なって起こってしまった、一度目の誘拐事件。不幸にもそれが原因で視力を失った被害者の愛子が、十二年後に再び誘拐された。ここまでは、一気に読ませる。愛子の両親のぎくしゃくした関係や、友人たちの対応も絡め、愛子のこれからがどうなるのかにも興味が湧く。一方、一度目の事件の加害者の娘・優奈も、辛い目に遭いながら成長し、漫画家を目指すなか、礼遠という伴侶にも恵まれている。大きな二本の流れがどこで合流するのかも気になるところである。そんな中で起きる二度目の誘拐事件である。被害者・愛子の扱われ方のあまりのひどさには、目を覆いたくなる。しかも容疑者と疑われるのは優奈なのだ。警察も翻弄され、最後にすべてが明らかになったときには、犯人の身勝手さに震えそうになる。その目的のために、愛子をあそこまでの目に遭わせる必要があったのだろうか、という疑問も湧く。あまりにも身勝手ではないか。あちこちで歪んだ愛情が行き違っているような一冊である。

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