リップヴァンウィンクルの花嫁*岩井俊二

  • 2016/05/23(月) 18:35:36

リップヴァンウィンクルの花嫁
岩井 俊二
文藝春秋
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「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」

声の小さな皆川七海は、派遣教員の仕事を早々にクビになり、SNSで手に入れた結婚も、浮気の濡れ衣を着せられた。行き場をなくした七海は、月に100万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。
あるじのいない大きな屋敷で待っていたのは、破天荒で自由なもうひとりのメイド、里中真白。
ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出すが……。
岩井俊二が描く現代の噓(ゆめ)と希望と愛の物語。


想像していた以上に惹きこまれてしまった。穏やかな日常を送る人間はひとりも出てこない。登場人物の誰もが、事情こそ違うものの、何かを抱え、平凡とは言い難い人生を送っている。それなのに、全体に流れる空気は静かなのである。不思議だ。切なくて、危なっかしく、それでいて確固としていてあたたかい。寂しいけれどとても親密な一冊なのである。ただ、映像として見るのは(観ていないが)ちょっと苦手かもしれない、とも思う。

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