札幌アンダーソング ラスト・ソング*小路幸也

  • 2016/05/30(月) 17:15:45

札幌アンダーソング ラスト・ソング<札幌アンダーソング> (角川書店単行本)
KADOKAWA / 角川書店 (2016-03-31)
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近頃、キュウの“ドッペルゲンガー”がよく出没しているらしい。北海道は札幌の警察署に勤務する若手刑事のキュウこと仲野久は、先輩刑事・根来たちと、そんな噂話を楽しんでいた。だが殺人事件が発生し、事態は一変。被害者の夫が久に瓜二つであり、様々な状況証拠から、久は事件の重要参考人にされてしまう。これまでも奇態な事件を仕掛けてきた“秘密クラブ”の仕業だと確信した久たちは、“変態の専門家”で天才的な頭脳を持つ美少年・志村春の力を借りて無実を証明しようとするが…。記憶が武器の“天才探偵”と秘密クラブを操る“怪物”。最強の頭脳を持つ2人の最終対決の行方とは―!?


「山森クラブ」なる変態クラブの主宰・山森と、四代前までの記憶を持ち、見たものすべてを記憶するという特殊能力を持った志村春(しゅん)との最後の対決の物語である。キャラクタも設定も想像を超えるものなのは前作から引き続き同じで、空想物語のようなのだが、どういうわけか実際にありそうな気がしてきてしまうのは不思議である。誰を信じ、誰を疑えばいいのかもわからない状態で、それでも親身になって協力してくれる人たちがいるのは、春の人徳なのだろう。キャラクタがみな魅力的で、宿敵とも言える山森でさえ、いなくなってほしくはないと思わされてしまう。春と山森の対決は、きっとどこかでまだまだ続くのだろうと思わされる一冊である。そしてもっと続いてほしいシリーズでもある。

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